Sigmaでは、時系列信号から計算した「平均値」「RMS」などの1つのスカラー値を、その信号の「特徴量」と呼んでいます。
レコードの特徴量を一括で計算するにはメイン画面ツールバーのcalcボタンから 「レコード付随情報の計算」を選択します。ここで計算された特徴量はレコードの付随情報としてSigma内に保存され、トレンド表示が可能です。
選択中のフォルダに格納されたレコードを計算対象にします。
選択中のフォルダ及びその配下のフォルダ全てに格納されているレコードを計算対象にします。
全てのフォルダに格納されているレコード(全レコード)を計算対象にします。
既に計算済みの特徴量は再計算されません。
計算済の特徴量も再計算されます。
信号の二乗平均平方根。ただしSigmaでは常に信号の平均値が0になるようにシフトした後に二乗平均平方根を計算するため、標準偏差と一致します。
信号の平均値。
波高率。RMSに対する最大値の比を表します。
振動加速度(m/s2)に対してこの特徴量を計算した場合、振動速度(mm/s)のRMSが得られ、この値に対してISOの基準を適用することが出来ます。
具体的には以下の処理を行っています。
10〜1000Hzのバンドパスフィルタ → 数値積分 → RMS算出 → ×1000
計算するためには以下の条件が必要です。
(1) サンプリングレート2000Hz以上。
高速で回転する軸受の異常指標。計算するためには以下の条件が必要です。
(1) サンプリングレート8000Hz以上。
低速で回転する軸受の異常指標。計算するためには以下の条件が必要です。
(1) EMセンサ信号。
(2) レコードが属するフォルダの測定対象種別に軸受が設定されている。
(3) レコードに適切なRPMが設定されている。
測定対象の設定の仕方についてはフォルダの設定を御覧ください。
ユーザー定義特徴量のうち、レコード付随情報として登録されたものがこの画面から計算可能です。 ユーザー定義特徴量は、最大3種類までをレコード付随情報として登録することが可能です。 詳しくはユーザー定義特徴量を御覧下さい。
AIモデル設定のうち、レコード付随情報として登録されたAIモデル設定による評価値がこの画面から計算可能です。 AIモデル設定は、最大6種類までをレコード付随情報として登録することが可能です。 詳しくはAIモデル設定の作成をご覧下さい。
時系列信号に対して計算方法を定義し、独自の特徴量を定義することが出来ます。 ユーザー定義特徴量の管理を行うには、ツールバーのSettingボタンから 「ユーザー定義特徴量」を選択し、ユーザー定義特徴量管理画面を開きます。
ユーザー定義特徴量追加ボタンまたは編集ボタンを押すと、ユーザー定義特徴量編集画面が開きます。 詳細は特徴量の定義方法を御覧ください。
定義済みのユーザー定義特徴量を「レコード付随情報」へ登録することで、 その特徴量の計算結果を各レコードに付随する情報としてSigma内に記録することができます。 「レコード付随情報」は3枠あり、全てのレコード共通の設定です。 「レコード付随情報」へ登録した特徴量は、レコード付随情報の計算から計算を行うことができ、結果のトレンド表示も可能です。
「レコード付随情報」へ登録せずにユーザー定義特徴量を計算するには、 ツールバーのCalcボタンからユーザー特徴量計算を選択します。 この場合、計算結果はCSVに出力され、Sigma内には保存されません。
ユーザー定義特徴量管理画面で追加または編集ボタンを押すと、ユーザー定義特徴量編集画面が開きます。 特徴量は、基本的な計算処理(プロセス)を順番に並べることで定義します。下図は特定周波数(3kHz-10kHz)のRMSを計算する例です。
時系列信号を入力として受けとり、時系列信号を出力します。(バンドパスフィルタ等)
時系列信号を入力として受けとり、1つのスカラー値を出力します。(平均値等)
入力が時系列信号であれば時系列信号を出力し、スカラー値であればスカラー値を出力します。(定数倍等)
ユーザー定義特徴量の計算方法は2通りあります。
レコード付随情報として登録されたユーザー特徴量は、レコード付随情報の計算画面から計算できます。 計算結果はレコード付随情報としてSigma内に保存され、結果のトレンド表示も可能です。
レコード付随情報に登録せずに計算した場合、結果はCSVに出力され、Sigma内には保存されません。
ツールバーのCalcボタンから「ユーザー特徴量計算」を選択し、 ユーザー特徴量計算画面を開きます。
計算対象は、メイン画面のテーブルに表示されているレコードです。 (フィルタで表示を絞っている場合、表示されているテーブルのみが計算されます)
計算したい特徴量にチェックを入れ、計算実行ボタンを押すと、 出力するCSVの場所とファイル名を指定するダイアログが表示されます。 指定が完了すると、CSVファイルに計算結果が出力されます。
なお、出力形式はメイン画面で表示中のテーブル内容に、計算結果の列が追加されたものになります。
レコード一覧に表示中の全てのレコード、またはレコード一覧で選択中のレコードについて、測定日時を横軸とした特徴量のトレンドを表示します。 トレンドを表示するにはツールバーのトレンドボタン をクリックし「表示中レコードのトレンド」または「選択中レコードのトレンド」を選択します。
デフォルトでは、同一物理量、同一チャンネルのレコードが1つの系列とみなされます。 チャンネルの区別を無視したい場合、(物理量のみで系列を区別したい場合) 右クリック -> コンテキストメニューから「チャンネルを統合」を選択して下さい。
「表示するデータがありません」と表示される場合
トレンドを表示したいレコードに対して、特徴量選択ボックスで選択した特徴量が計算されていることを確認して下さい。
レコードの特徴量を計算するにはレコード付随情報の計算を参照して下さい。
特徴量選択ボックスから、トレンドを表示する特徴量を選択します。
カーソルをトレンド上の点に近づけると、最もカーソルに近い点がハイライト状態となります。その状態で マウスをクリックすると、メイン画面のレコード一覧でその点に対応するレコードが選択状態となります。 (ただしレコード一覧が表示中のトレンドとは別のフォルダのレコードを表示している場合、この動作は発生しません)
トレンド内の1点にカーソルを近づけハイライト状態の時にダブルクリックすると、対応するレコードの生波形が表示されます。
グラフ表示部分の操作法や、その他のボタンは信号ビューの操作と同様です。
レコード一覧に表示中の全てのレコード、またはレコード一覧で選択中のレコードについて、特徴量の折れ線グラフを表示します。 トレンドが各レコードの測定日時を横軸とするのに対し、折れ線グラフではレコード一覧における並び順がそのまま横軸の値となります。 折れ線グラフを表示するには をクリックし「表示中レコードの折れ線グラフ」または「選択中レコードの折れ線グラフ」を選択します。
折れ線グラフ表示では、レコード一覧における表示順序がそのまま反映されます。レコード一覧の列の項目名をクリックすることによるソート機能を使うことで、任意の項目でソートした状態の折れ線グラフを表示することが出来ます。 画面内での操作はトレンド画面と共通です。
Sigmaでは信号の特徴量にしきい値を適用することが出来ます。しきい値を適用すると、レコード一覧では 該当する特徴量欄に判定結果が色で表示されるとともに、トレンド表示時には背景がしきい値設定を反映した色になります。
トレンド表示時、2つの物理量を同時に表示して左右の縦軸が使用されている場合、 常に左軸の物理量に適用されているしきい値設定が背景に反映されます。 右軸の物理量に適用されているしきい値設定を反映させたい場合、右クリック -> 表示詳細設定から縦軸を入れ替えて下さい。
しきい値はフォルダ(またはリンクリスト)に対して適用します。しきい値をフォルダに適用することで、 そのフォルダ内の全てのレコードが、適用したしきい値に従って判定されます。
「AIモデルによる評価値」に対するしきい値は例外です。詳しくはしきい値をご覧下さい。
フォルダに対してしきい値を適用するには、フォルダ詳細画面のしきい値設定の「設定」ボタンを押して、 「しきい値適用」画面を開きます。しきい値適用画面は2つの表で構成されています。左の表には、Sigmaに登録されている全てのしきい値設定が表示されます。 (左の表は「しきい値定義一覧」で表示されるものと同一の表です。付属するボタンや実行可能な操作の詳細はしきい値の定義を御覧ください。) 右の表は、Sigmaに登録されているしきい値設定のうち、現在このフォルダに適用されているものの一覧です。 新たにこのフォルダにしきい値を適用するには、適用したいしきい値設定を、左の表から右の表へドラッグ&ドロップします。 適用されたしきい値を解除する場合は、解除したいしきい値設定を選択した状態で、しきい値適用解除ボタンを押します。
1つのフォルダに複数のしきい値設定を適用することが出来ます。 ただし、対象とする物理量と特徴量の組み合わせが同一のしきい値設定は複数適用することは出来ません。
ユーザー独自のしきい値を定義するには、ツールバーのSettingボタンから 「しきい値定義」を選択し、しきい値定義一覧画面を開きます。
「しきい値新規作成ボタン」または「しきい値編集ボタン」を押すと、しきい値定義画面が開きます。
しきい値定義では、対象とする物理量・特徴量および各判定レベルの境界値を指定します。